写真と時間

こんにちは、ひばりの鎌塚です。

 

あたたかくなってきたかと思えば、また少し寒い日が戻ってきたり。

着る服を間違えそうな日が続いていますが

寄せては返す波のように、冬と春が移ろいゆくこの時期が好きです。

 

そして今年はひそかに、春以上に心待ちにしていたものがありました。

それが、こちらの写真です。

 

<シングルルーム>

 

 

<クアドラプルルーム>

 

 

これらは、写真家の堀井ヒロツグさんに撮影していただいた写真です。

モデルさんのヘアメイクはYAK KYOTOさん。

 

<スーペリアルーム>

 

 

 

私は個人的に写真をみているとき、主に2種類の写真があると思って見ています。

 

ひとつは、人やモノや風景を「写している」写真。

証明写真とか、商業写真と言われるもの。

その人がそこにいることの証明になったり、宿だったら設備をもっていることの証明となる、説明的な写真。

 

もうひとつは、光で時間を「写している」写真。

日々太陽は動き、風がふき、雨がふり、花が枯れ、咲く。

停まっているものはなく、すべてのものがゆっくり、ときに激しく揺れ動いている世界で、一瞬の時間を視ることができる、感覚的な写真。

 

<小さな離れ>

 

 

 

私たちが営んでいる「宿」という場所を、「設備を提供している」場所として捉えるならば、「説明的な写真」が適していると思います。

過不足なく伝えることが大事で、きれいに写った明瞭な写真がいいでしょう。

 

私はひばりという場所で、「時間を提供している」と思いながら日々お客さんと接しています。

家を出て、移動し、知らないものをみたり、触れたり、食べたりして、家にいては体験できない新しいものに刺激を受け、宿に泊まり、帰る。そしてまた新しい旅先へ。

宿はその一連の時間の流れの中のひとつであり、そしてまた新しい時間を過ごすための場所。

 

この場所をひとつの「時間」として捉えるなら、時間を写している写真がいい。

そう考え、この度縁あって、写真家の堀井さんに撮っていただくことが叶いました。

 

 

<本屋・旅耕社>

 

 

これらの写真は、だれもが納得する宿屋の写真ではないかもしれません。

 

これらの写真は、だれもがみることができるわけではない時間を写しています。

旅も同じです。

あなたがしてきた旅も、これからするかもしれない旅も、だれもが経験できるわけではありません。

今日は今日しかありません。

 

これらの写真から、私たちが「時間」を大切にしていること。

ここに関わってくださる方の時間が、いい時間であってほしいと願っていること。

 

そんな気持ちが伝わってもらえたら、と思いながら、これらの写真をみています。

 

もうすこしで桜が咲きます。

 

ぜひ一緒に、春の時間を楽しみましょう。

 

ひばりホステル

鎌塚 慶一郎