Before

天気が良くて暑ーい2016年8月某日。

中央卸売市場に出入りするバイクやトラックが走り、業者御用達の専門店なんかが立ち並ぶ丹波口エリア。

ここは京都の人でも「京都駅から近いっちゃ近いけど…」て距離感の、「市場があるところ」くらいなイメージの、あまり馴染みのないエリア。

石畳があったり、長屋が軒を連ねたりする、みなが思い描く京都の雰囲気とはまた違う、下町っぽくて人懐こい、もう一つの京都の素顔が見える場所だと思います。

そんな中にあった一軒の内覧に行きました。

増築や改築を重ねた姿は町家の面影が薄く思われましたが、改築されてすでにバリアフリーになっていた一階は私たちにとってはむしろ好都合でした。

これはもともとあったキッチン。

壁についてる棚は電動式で上下する上等なやつ!ですが、キッチンはもっとシンプルなものにしたいので、この後の解体のときに泣く泣く取り外しました。。。

左側にちらっと見えているのが玄関。

キッチンの横にはお風呂があり、その横には比較的きれいな広めの和室がありました。

直前の家主さんはこのお部屋を居室にし、一階でのみ生活されていたことが伺えます。

奥に見えるのは離れ。

廊下のように床板が張られて天井もあり、母屋とつながっているので屋内のもう一つのお部屋みたいになっています。

離れのアップ。この写真の右側に先ほどの和室があり、そこを通り抜けるとキッチンや玄関があります。

さて、急な階段を上った先の二階は、廊下を挟んで三畳の小さな部屋が五つ並ぶ変わった間取り。

以前は市場関係者の寮のような場所であったようです。

各部屋の畳は古く、壁は土壁の上にベニヤ板やポスターなどが貼られ、部屋の真ん中に裸電球が吊るされた、お世辞にも素敵な部屋とも味のある部屋とも言い難い、普通の古い部屋。ちょっと怖い。

ただ、どの部屋も窓が大きくて開放感があることが怖さを和らげていました。

天気がいい昼間でよかった。。。

 

すっごく状態のいい町家というわけでもなく、雰囲気が抜群というわけでもないけれど、丹波口という面白そうなエリアであることと、素敵に化けられそうなこの家の可能性を見込んでここに決定。

さて、どんな変化を遂げていくのか、こうご期待。