こんにちは、店主の鎌塚です。
先日、強行軍で東京へ行ってきました。
「旅することが難しいひとも、気軽に旅を楽しめるように」という思いではじめたひばりですが、女将の米山と違いリハビリ職に従事したことのない私はまだまだ知見も少なく、ひばりを通じて勉強している毎日です。
といってもまだ現場で学べる機会も少ないため、本を読んだり人と会って話しを聞く、ということを繰り返し繰り返し、少しずつ現状の問題点を知っていき、素人目線でアイデアを出せるよう努めています。
今回そんな私にとって特に学ぶべき点が多いのでは、と感じるイベントがいくつか東京で行われると知り、何年かぶりの首都へ行ってきました。
さて、まずはこちらの写真をご覧ください。
(写真:J-Workout株式会社様)
こちらの写真は、「脊髄損傷者の再歩行を目指す」という目的で設立された、日本初の脊髄損傷者専門のトレーニングジム「J-Workout (ジェイ・ワークアウト)」企画・運営の、「KNOW NO LIMIT」 というイベントの様子です。
「KNOW NO LIMIT 」= 「回復に限界はない」という考えのもと、脊髄を損傷し車いすで生活されている方々が、再歩行を目指して日々トレーニングをし、その成果を発表しているシーンです。
この方々はみな、「もう歩くことはできない」と医師から診断された方々です。
私は先日はじめて知ったのですが、
日本の病院では歩くことはできないと医師が判断した場合、「車いすでの生活を目的としたリハビリ」に切り替わり、「再歩行のためのリハビリ」には取り組めないそうです。
アメリカやオーストラリアでは「再歩行のリハビリ」という選択肢もあるそうですが、いまの日本の病院では難しいとのこと。
J-Workout (ジェイ・ワークアウト)さんは、それでも「歩きたい」と望む人の期待に応えられるよう、病院ではできない再歩行のためのトレーニングを専門に取り組んでいる民間会社です。
会場にはご家族や友人・同僚の方々だけでなく、大勢の方々が来られていました。
一参加者であり直接関係をもたない私の目からみても、登壇者の方々の力強く歩く姿は、胸にせまるものがありました。
彼ら彼女らの踏み出す一歩一歩には、私たちが普段無意識に行っている歩くという行為にはない美しさが内含されているように感じられ、人生という道のりにおいて、この人たちは私より難しい道の、はるか先を歩んでいるように映りました。
悪戯に美化するつもりはありませんが、それが私の率直な感想です。
日本のリハビリ業界にはない新しい選択肢をつくったという点で、J-Workoutさんの活動を尊敬します。
歩けないと言われたって、歩きたい。立った目線で世界をみたい。
そんな思いは生まれて当然です。そのための選択肢がないというのは、社会のシステムとしてどうなのかと思います。
それにたとえ歩けないと診断されたとしても、人体の全てが医学で解明されているわけではないし、再生医療という現実的な希望が視野に入りつつある現代において、筋肉や骨密度を維持するためにも、再歩行のためのリハビリという選択肢は一層重要性が増しているように思えます。
そして自分自身と向き合い、前に進んでいる方々の姿をみて、ひばりという場所が彼・彼女らのような人たちの役に立ち、共に歩んでいける旅路の宿でありたい、とあらためて思いました。
今回このような機会、ご協力をいただきましたJ-Workoutさま、そして登壇者のみなさまにあらためて御礼申し上げます。
ありがとうございました!
(補足)
今回述べていることは私個人の意見・感想であり、リハビリ業界における問題点などを細かに調べぬいて書いたわけではありません。もし事実と異なる点や表現がありましたらご指摘ください。
慎んで訂正致します。