明けましておめでとうございます!
2019年のはじまり、そしてついに、平成が終わってしまいますね。
店主の初笑いは大晦日にTwitterに投稿された、
『妻がいま「平成最後のお風呂行ってくる」って言いながら脱衣所に向かったけど、明日から風呂入らないつもりか?』というつぶやきでした。
平成はあと3か月ありますもんね。
しかし平成を生きた記憶しかない私にとって、「平成最後」という言葉を聞くたび、なんだかショックを受けてしまいます。
たかが年号なのに、どうしてこう感慨深くなるのでしょう。
たぶん3か月お風呂に入ってない奥さんに出会うより、平成が終わることのほうが衝撃が大きい気がします。
だって平成は30年の積み重ねですから。30年お風呂に入ってない奥さんくらいじゃないと、釣り合いがとれないでしょう。なんのこっちゃ。
さて、平成の酉(とり)年に生まれたひばりは、戌(いぬ)の上をまっしぐらに飛んでいき、亥(いのしし)に出会うところまでやってきました。
これまでやってこれたのも、たくさんの方々の温かいご支援があってのことです。
本当にありがとうございました。
初笑いのくだりより先に御礼を言うべきでしたね。
しばらくぶりのブログになってしまい、書き方を忘れてしまいました。大変申し訳ございません。
この5ヶ月間に書いたことといえば「お知らせ」ばかりで、ブログらしいものはほとんど書けていませんでした。
この場で言い訳をさせてもらうのもなんなのですが、忙しくて書けないということではなく、
書くことについてしばらく考えてみたいと思うことがあり、意識的に書くのをやめました。
きっかけは、スタンフォード大学の留学生にご滞在いただいたこと。
ひばりはこれまで、「だれでも、どこでも、いつまでも旅をし、豊かな人生を」をモットーに、お体に不自由のあるお客さんとの出会いや旅のことを何度かブログに書いてきました。
書くことで、旅をすることが難しいなと思っている方が、行けるかも!と思っていただけたらという思いで発信をしていましたが、書くたびに一抹の不安を抱えていました。
それは、「これって、障害者ビジネス?」という意識です。
ひばりは「だれでも旅を楽しめるように」という考えなので、お体が不自由な方専用というわけではありません。
しかし、ユニバーサルデザイン(以下UD)設計の町家宿というのが、ひばりの大きな特徴のひとつです。
UDとは「だれにとっても普変的に使いやすいものであること」と定義されていますが、
それを必要とする人、伝えたい人は「だれでもみんな」ではなく、限定されます。
その一部にスポットを当て過ぎると、「障害者ビジネスみたいだ」という意見がでてきてもおかしくはありません。
そしてそれは、誰かを傷つけることにもつながりかねません。でも発信しなければ伝わらない。知ってもらえなければ、役立つこともできない。しかし・・・
という矛盾ループに対する答えをもたないまま、日々宿でお客さんをお迎えし、ブログで発信していました。
そして2か月半の間、スタンフォード大学から留学生の方が滞在していただくことになり、最初は彼の生活や京都のお寺を訪れているところなどを発信しようかと考えていました。が、いざやろうと思って、手がとまりました。
これは本当にやっていいんだろうか?僕のやりたいことなのか?彼のやってほしいことなのか?
誰かのためになるかもしれない。それは間違いないと思うけど、本当に伝えたいことなのか?発信していいのか?
炎上するのが怖いというより、知らないうちに誰かを傷つけるかもしれないということを意識し、急に怖くなったのだと思います。また、そんなつもりはないけれど、カタチとして僕は彼を宣伝に利用することになる。必要とする人のための発信は宣伝じゃない、と思ってはいるものの、書きたいと思えない。まだうまく言語化できませんが、これは書かないほうがいいかもしれないという考えが芽生えて消えず、ひとまず書くのをやめました。
ただ確かなことは、ひばりは別にボランティアでやっているわけではないこと。
ビジネスかと言われればビジネスです。僕は「お商売」という日本語の方が好きですが。
障害者ビジネスかと言われれば、断じて違います。お身体に不自由があっても、変わりなく旅を楽しめる環境(システム)をつくりたいとは思っていますが、それを利益優先のビジネスにしたいとは考えていません。
誰だって大なり小なり自由もあれば不自由もあるし、その大小の差はなにかの拍子で急に変わります。
だから必要だし、やってみたい、つくってみたい。お商売にするのは、持続性を高めるため。そう思っています。
これが答えならもっと自信をもって発信できるように思いますが、まだまだ先があるように思えてなりません。
まだ一年と少し経ったばかりのひばりで、答えがでてくるようなものではないのかもしれません。
留学生の彼は9月の終わりにきて、12月の中頃に帰ってしまいました。
彼がここで過ごした経験や、残してくれたものを活かしきれていないように感じていますが、彼と一緒に過ごした日々はとても楽しかった。彼が京都で過ごすことができ、他の町へ旅することもでき、そして無事帰国できた。それだけで、ひばりをやってよかったなぁと思っています。
このような機会をいただき、彼、そしてスタンフォード大学日本センターの皆様にあらためて感謝申し上げます。
ということで、悩んだり迷ったりの2018年でしたが、
2019年も引き続き答えを探しながら、そして日々を楽しみながら、高見を目指して飛ぶ雲雀の心を忘れずがんばりたいと思います。
それでは、本年もどうぞよろしくお願い致します!
店主 鎌塚 慶一郎