こんにちは、店主の鎌塚です。
京都はいま、雨が降っています。
私事ですが先日10月8日、はじめての子どもが生まれました。
男の子で、名前は「耕(こう)」と言います。
すこし長めの入院を経て、昨日から自宅での3人暮らしがはじまりました。
命が宿ったことを知り
心臓の音を聞き
体が形づくられ
すこしずつ体重が増え
手足の動きが目にみえてはげしくなっていく
ひとつひとつ順番に与えられる「はじめて」がうれしく、
その都度子どもの存在と、新しく変わっていく生活を実感していましたが
昨日3人で自宅に帰り、準備したベッドですやすやと眠る子どもの顔をみて
「やっと、はじまるな」と思いました。
今日までの10か月は決して短い時間ではありませんでしたが
はじめて心臓の拍動を聴いた日はついこの間のようで
その音の主がいま私たちの自宅にいて
妻のお腹ごしに触っていた手足に、直接触れることができる。
ひとしきり泣いたあと眠りについた子どもの寝顔を眺め、降る雨音を聴きながら、
ふとカリール・ギブランの詩を再読しました。
あなたの子供は、あなたの子供ではない。
彼等は、人生そのものの息子であり、娘である。
彼等はあなたを通じてくるが、あなたからくるのではない。
彼等はあなたとともにいるが、あなたに屈しない。
あなたは彼等に愛情を与えてもいいが、あなたの考えを与えてはいけない。
何故なら、彼等の心は、あなたが訪ねてみることもできない、
夢の中で訪ねてみることもできないあしたの家にすんでいるからだ…。
詩を声に出して読み
子どもの顔をみる。
これから子どもを育てる上で大変なことは山ほどあるのだろうけど
いつかは触れられない存在になっていくのだから
いまこうして触れていられる時間を忘れないよう、抱いていられるだけ抱いていたい。
小さな手に小指をのせると、包むように握ってくれる。
いつかこの手が自分の進む道を開いていくまで
しばしの間、手をつないで一緒に歩んでいきたいと思います。
新しい生活がはじまり、ひばりにもちょっとずつ変化が生まれてくると思います。
どう変わっていくのか、私自身楽しみです。
それでは、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
ひばり店主 鎌塚慶一郎