地面と平行になって、新たな地平へ。 |書店と本屋喫茶のお知らせ

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

SNSの更新ばかりでホームページとブログの更新がだいぶおろそかになってしまっておりました。

 

すでにSNSにてお知らせ済みですが、ひばりでは8月より書店営業と本屋喫茶サービスをはじめました!

 

 

<書店スペース>

 

 

 

ひばり1階を新刊と古本を販売する書店へリニューアル。

こちらにある本は基本的にすべてご購入いただけます。

 

<自家焙煎の珈琲豆>

またこれまでネットショップ販売のみで受付ていました当店オリジナルの珈琲豆も販売しております。

<珈琲豆 ”山” Indonesia Gayo Mountain 深煎>、他4点

 

そしてこれらの書籍と珈琲を一度にゆっくりお楽しみいただけるのが、”本屋喫茶”サービスです。

書店にある本を好きなだけ、ひばりの個室にてお読みいただけます。

珈琲の1ドリンク付き。(珈琲がメインですが、その他のお飲み物もあります。)

 

<コミックスペース>

 

これまで旅耕社として営業していた小屋スペースは、コミックスペースに。

旅耕社の古本はすべてひばり1階書店スペースへとお引越し。

こちらのコミックは本屋喫茶利用のための閲覧用です。

広々とした漫画喫茶のようにご利用いただけます。

 

 

書店&本屋喫茶のロゴデザインがコチラ。

「本」という字にみえますが、実は「平」の旧字体です。

 

平旅籠(ひらはたご)は江戸時代の素泊まりの宿のことですが、

 

店主は平凡な人間で

地面と平行になるのも好きで

平穏な日々が続くことを願っているので

 

平(たいら)な宿、まぁわるくないんじゃないかと思い屋号にしました。

 

どんな方でも泊まれる段差のない平(フラット)な場所、という意味もあります。

 

「平」という字の成り立ちは、「本」にとてもよく似ており、なんだか勝手に親戚のように感じております。

本屋のふりした宿屋、宿屋のふりした本屋、どっちかよくわからない当店にふさわしいロゴとなりました。

 

 

世の中が変化するときは色んな意見が飛び交い、右往左往してしまうこともあるかと思いますが

そんなときは心を落ち着け、フラットな目線で、進むべき道を決められる人間でありたい。

そしてこの店もそんな場所であれたらと思っています。

 

心がざわついてぐらぐらしてきたら、地面と平行になりましょう。

落ち着いてきたら、目に着いた本を手にとってみましょう。

本の中には、どこまでも続く新しい世界がひろがっています。

 

”地面と平行になって、新たな地平へ”

 

畳にゴロゴロ寝っ転がりながら、すくすくと成長していける夢のような場所を目指しております。笑

 

ということで、新しく生まれ変わった当店をどうぞよろしくお願い致します!

 

※今後の営業時間などの最新情報はインスタグラムにて告知致します。ご登録どうぞよろしくお願い致します。

インスタグラムアカウント:@hibari_hostel

 

平旅籠ひばり 店主

鎌塚 慶一郎

本と珈琲と日々のこと

 

こんにちは、ひばりの鎌塚です。

 

すっかり春の陽気が続く中、お庭の木々に葉が茂ってきました。

いい天気に触発されてなんとなくなにかを書きたい気分になったので、この頃のことをつらつらと書きたいと思います。

 

フェイスブックやインスタグラムで散々発信していましたが、2月よりひばりのとなりに本屋ができました。

「旅耕社(リョコウシャ)」といいます。

 

 

 

 

 

新しい視点を与えてくれるという意味で、本は旅ととても親和性の高い製品です。

つかい方に迷う余地がないという点で、「本」はプロダクトとしてある種の理想的なかたちであるともいえます。

それでいて、中身はまったく自由な世界が広がっている。

普遍的で美しく、自由であり新しい世界へつながる扉になる。

そういう意味で、ひばりも「本」のようでありたいなと思います。

この場所がきっかけで旅にいきたくなったり、また旅をしたような気分になっていただけたら幸いです。

 

 

またつい4日ほど前からですが、「キフ珈琲」という珈琲屋のふりをした寄付活動をはじめました。

こちらに関しては説明が長くなってしまいそうなので、またあらためてご案内します。

インスタグラム@kifucoffee.kyotoにて日々更新していますので、よければご覧ください。

 

 

先日から、ドイツよりお越しのご家族が貸切でご宿泊いただいています。

普段は掃除のたびに毎日きれいに片づけている公共エリアも、貸切のためどうぞご自由にということでプライベートなものがそこかしこに放置されています。

 

 

 

 

日々いろんなものが増えてゆく・・・

 

 

 

いつもはお泊りいただく方みなさんが気持ちよく過ごしていただくために、トイレや洗面台にものを置きっぱなしにすることはご遠慮いただいていますが

 

貸切のときはこのように、わかりやすい生活のあとが残ります。

 

僕はきれいな場所が好きですが、からっぽな場所は好きではありません。

きれいに掃除したあとでなかなかお客さんがチェックインに来られないときは、はやくだれか来てキッチンとかトイレとか使ってくれないかなと思います。

雑誌の中の完璧な部屋の写真に違和感を感じるように、生活感を感じられない空間にいると居心地がわるくなってくるんでしょう。

 

そのためいまのように貸切でご利用いただいているときは常に居心地がよく、ありがたいです。

 

宿という場所は自分の場所でありながら、自分ではない他のだれかの場所。

たとえ一時的にであっても、行ったこともない国の人と場所と時間をともにするというのは、よくよく考えたらとても不思議なものだなぁ。と、みたこともないシャンプーや歯磨き粉を横目にみながら思いました。

 

おもしろい時代になったものですね。

 

平成も残すところあと数日。

 

令和はいったいどんな時代がくるのでしょうか。

 

どんな時代になっても、いまのように日々を楽しんでいたいなと思います。

 

それでは、また。

 

ひばり 店主

 

写真と時間

こんにちは、ひばりの鎌塚です。

 

あたたかくなってきたかと思えば、また少し寒い日が戻ってきたり。

着る服を間違えそうな日が続いていますが

寄せては返す波のように、冬と春が移ろいゆくこの時期が好きです。

 

そして今年はひそかに、春以上に心待ちにしていたものがありました。

それが、こちらの写真です。

 

<シングルルーム>

 

 

<クアドラプルルーム>

 

 

これらは、写真家の堀井ヒロツグさんに撮影していただいた写真です。

モデルさんのヘアメイクはYAK KYOTOさん。

 

<スーペリアルーム>

 

 

 

私は個人的に写真をみているとき、主に2種類の写真があると思って見ています。

 

ひとつは、人やモノや風景を「写している」写真。

証明写真とか、商業写真と言われるもの。

その人がそこにいることの証明になったり、宿だったら設備をもっていることの証明となる、説明的な写真。

 

もうひとつは、光で時間を「写している」写真。

日々太陽は動き、風がふき、雨がふり、花が枯れ、咲く。

停まっているものはなく、すべてのものがゆっくり、ときに激しく揺れ動いている世界で、一瞬の時間を視ることができる、感覚的な写真。

 

<小さな離れ>

 

 

 

私たちが営んでいる「宿」という場所を、「設備を提供している」場所として捉えるならば、「説明的な写真」が適していると思います。

過不足なく伝えることが大事で、きれいに写った明瞭な写真がいいでしょう。

 

私はひばりという場所で、「時間を提供している」と思いながら日々お客さんと接しています。

家を出て、移動し、知らないものをみたり、触れたり、食べたりして、家にいては体験できない新しいものに刺激を受け、宿に泊まり、帰る。そしてまた新しい旅先へ。

宿はその一連の時間の流れの中のひとつであり、そしてまた新しい時間を過ごすための場所。

 

この場所をひとつの「時間」として捉えるなら、時間を写している写真がいい。

そう考え、この度縁あって、写真家の堀井さんに撮っていただくことが叶いました。

 

 

<本屋・旅耕社>

 

 

これらの写真は、だれもが納得する宿屋の写真ではないかもしれません。

 

これらの写真は、だれもがみることができるわけではない時間を写しています。

旅も同じです。

あなたがしてきた旅も、これからするかもしれない旅も、だれもが経験できるわけではありません。

今日は今日しかありません。

 

これらの写真から、私たちが「時間」を大切にしていること。

ここに関わってくださる方の時間が、いい時間であってほしいと願っていること。

 

そんな気持ちが伝わってもらえたら、と思いながら、これらの写真をみています。

 

もうすこしで桜が咲きます。

 

ぜひ一緒に、春の時間を楽しみましょう。

 

ひばりホステル

鎌塚 慶一郎

 

百年の旅を支える。

先日、フランスからお越しの車いすの方にお泊りいただきました。

 

<フランスはマルセイユからお越しのマダムたち。>

 

これまでひばりにお泊りいただいたお客さんの中で最長の、10泊!

彼女は片足が動きませんが、車いすということを感じさせないほどお元気。

 

部屋からは毎晩、壁を突き抜けて「イヒヒヒヒヒ!!」という魔女のような笑い声が聞こえてきていました。

「ギオン!イ~ナリ!イヒヒヒヒヒ!」

 

毎晩ふたりでなに話してるの?

「明日の旅程よぉ!話してるうちにワクワクしてくるのよ!イヒヒヒヒヒ!」

 

<お泊りいただいた庭付きスーペリアルーム。基本、ベッドはこのセッティングですが、>

 

<ベッドの向きこっちにできる?とご要望があり、くるっと移動。電動ベッドは重たいですが、しっかりしたキャスターがついてるので楽に変えられます。>

 

<「マットレスももうちょっと厚めだとありがたいのよぉ。足がフレームにあたっちゃって、あざできちゃう。」とのことで、厚いマットレスも追加。スイッチひとつで上下に動かせるので、ベッドが高くなっても簡単に移乗できます。>

 

<「この高さがぴったりだわぁ!」とのことで、急きょ椅子をテーブルに。家具がありすぎても邪魔になるので、なにをどこにどれだけ置くか、というのは常に考えています。お客さんの生活スタイルによって足したり減らしたりできるように、「軽い・小さい・そしてタフ(丈夫)」が家具選びのポイント。>

 

今回はご友人とふたり旅。

大学時代からのご友人とのこと。

「大学っていつよ?!30年前??40年前?!ヤバイわねぇ!孫はもう15歳よ!イヒヒヒヒヒヒ!!」

 

 

毎晩ごはんを食べながら今日行ったところについて話したり、故郷のマルセイユのことを聞いたり、店主も楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

彼女は基本車いすですが、松葉杖を使えばすこしだけ歩くことができます。

そして自分で車も運転でき、関西空港でレンタカーを借り、旅行中は毎日自分で車を運転してでかけていました。

ご友人の方は歩けますが、運転するのは車いすの彼女の方。

「彼女は地図係よ!わたし地図読めないの!イヒヒヒヒヒ!!」

 

フランスに住んでるのに日本の、しかも交通量の多い大阪や京都を運転しちゃうのはすごいね、と言うと

「ロンドンに住んでたことあるから、左車線は慣れてるわ!でも自転車がこわいわぁ。若い子がビュッ!と左をすり抜けていくのよ。みえないのよ!轢きそうになっちゃうのよ!でもそういう子はだいたいイケてる子だったわ!イヒヒヒヒヒ!!」

 

<車いすマーク付きのレンタカー。後ろに車いすをスポッ!と入れれます。最近の軽自動車は省スペース化が進んでいて便利ですね。ひばりの駐車場は軽自動車なら2台駐車できちゃうくらい、ゆったりしています。>

 

車いすで旅するのは、歩くよりずっと体力をつかいます。いろいろ気をつけたり考えたり調べたりもしなければいけないので、精神的にも余計に疲れると思います。

 

しかし彼女たちは毎日夜まででかけているのにとても元気で、

「のんびり休憩する日なくて大丈夫??」と聞くと

 

「大丈夫よぉ!インド行ったときに比べれば全然マシよぉ!親戚の子がインド人と結婚してインドの結婚式に行ったんだけどすごかったわぁ!結婚式中ずっとみんな踊ってるし、次の日もパーティしてるし、3日後も、4日後も、1週間以上ずーっと祝ってるのよ!途中でマルセイユ帰ろうかと思ったわ!イヒヒヒヒヒ!」

 

彼女たちと毎日話しながら、自分も彼女たちのように、いくつになってもこんな風に自由に旅を楽しんでいたいなぁと思いました。

そして彼女たちの日々の会話の節々に、「ずっと人生を楽しんでいける秘訣」のようなものを感じました。

 

 

よく僕は「どうしてこういう(バリアフリーな)宿をやろうと思ったのか?」と聞かれますが、その大きな理由のひとつに

「旅行者を支え、そしてじぶんも支えてもらうことができるから」

という思いがあります。

 

僕は旅が好きなので、「旅することが難しい、ちょっと大変、でも行きたい」という人の力になれることがうれしい。やりがいがあります。

 

そしてまた、自分もずっと旅をしていたい。と思っています。が、これから先なにがあるかなんてわかりません。

 

たとえばもし僕が事故や病気で車いすになったとして

ひばりをはじめる前だったら、僕はどうしていいか、だれに相談すればいいかもわからなかった。

でもいまは、ひばりに関わってくれる人たちやお客さんの中で、頼れる人がたくさんできました。そういう意味で、僕も支えてもらっています。

 

「100歳になっても旅するぞぉ!イヒヒヒヒヒヒ!」

 

なんていう気概もわいてきます。それは間違いなく、彼女たちからもらったものです。

長く生きることが当たり前になりつつある社会。自然と怪我や病気と付き合う時間も長くなります。ネガティブな思考ではなく、現実問題として。

自分がならなかったとしても、家族や友人や自分にとって大切な人の生活が変わることは、十分ありえること。

 

そんないまの時代にとって、「ハンディのある方が旅をする。人生を楽しむ。」というのは、それだけで多くの人のお手本になり、希望になり、支えになることだと思います。

 

だからぜひ、旅することがちょっと難しい!でも行ってみたい!という思いをもっている方にはどんどん色んな場所に行ってほしいし、その手伝いができたらと思っています。

 

京都じゃなくてマルセイユに行ってみたい!そんなご相談もウエルカムです。

(完全に彼女頼みですが。イヒヒ!)

 

100年旅できる土台を、一緒につくっていきましょう!イヒヒヒヒヒ!

 

<最後の記念写真がまさかのどアップ。はじめて自撮り棒の必要性を感じました。>

 

 

メルシーボクウ、マダム! ア ビアント!

 

店主 

鎌塚 慶一郎

四人部屋のお知らせ

2018年5月より、女性専用ドミトリーを四名様の個室「四人部屋」へと変更致しました。

ひばりにはこれまでドミトリーのほか、シングルルーム、小さな離れとお1人様向けのお部屋は二室ありましたがご家族やグループ旅行様向けのお部屋がなく、多数のご要望をいただき、この度変更させていただくことになりました。

最大4名様までお泊りいただけますので、3名様以上のお泊りをご希望のお客様はぜひ「四人部屋」でのご滞在をご検討くださいませ。

またこれまでドミトリーをご利用いただきましたお客様は、今後は「シングルルーム」もしくは「小さな離れ」でのご滞在をご検討いただけましたら幸いです。

今後ともご愛顧を賜れますようよろしくお願い申し上げます。

 

平旅籠ひばり Hibarihostel

鎌塚 慶一郎

 

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