旅先の名月

こんばんは、店主の鎌塚です。

 

明日は中秋の名月

もうすっかり秋になってしまいましたね。

 

京都では明日からたくさんの場所で、名月を楽しむイベントがございます。

数あるイベントの中でひばりがおススメするのは、こちら!

 

【観月の夕べ in 大覚寺・大沢池】

 

大沢池は「日本三大名月鑑賞池」のひとつに選ばれるほど、月がきれいに見られる場所です。

 

ひばりからのアクセスがとても便利なことも、オススメな理由のひとつ。

ひばりの最寄り駅、JR嵯峨野線「丹波口駅」から電車に乗って「嵯峨嵐山駅」まで約15分。

「嵯峨嵐山駅」から「大覚寺」までは徒歩約15分と、30分程度で行くことができます。

 

旅先で月を眺めるというのは、それだけで特別なもの。

 

私がむかしモロッコの砂漠を訪れたときは満月で

真夜中でも灯りなしで散歩できるほど明るかったことを覚えています。

 

温もりを感じない、ただただ美しいだけの無機質な月の光を浴びながら砂の上を歩いた夜は、

まるで異世界に迷いこんでしまったかのようでした。

旅先でみる月には、時々そんな魔力のようなものを感じます。

 

明日からはじまる名月を、京都を旅する人々はどのように感じられるのでしょうか。

京都に住むわたしには想像することしかできませんが

舟に乗りながら眺める月は、さぞきれいなことでしょう。

 

他のお月見イベントは、こちらのサイトよりご確認いただけます。

「KYOTO desigh」

https://kyoto-design.jp/special/kangetsu

 

名月の京都を、どうぞご堪能ください。

 

【観月の夕べ in 大覚寺・大沢池】

日程 10/4(水)~6(金)

時間 17:00~21:00 (受付は20:30まで)

参拝料:大人500円 小中高生300円

舟券:1000円(各日15時頃から勅使門前にて販売予定)

問い合わせ:075-871-0071

アクセス:

JR 嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」下車、徒歩15分

市バス・京都バス「大覚寺」下車、徒歩1分

 

ひばりの由来

  

 

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

ときどき、「どうしてひばりという名前なんですか?」と聞かれます。

 

ひばりは漢字で「雲雀」と書く、雀(すずめ)に似た鳥です。

 

ひばりのある場所は、「朱雀」という鳥の神様の名前のついた町にあります。

またオープンの今年が酉年ということもあり、鳥の名前に縁があっていいなぁと思いました。

 

ひばりは小さい体ながら、雲にむかって天高く飛ぶ姿から、「雲の雀」と書かれるようになったそうです。

私たちのお宿も、小さくとも高い向上心をもち、たくさんの人の役に立てる場所でありたいと思い、

屋号にしました。

 

そのため、ひばりにはお宿のそこかしこに鳥のデザインが施されております。

 

 

 

 

といってもまだまだ少なく、もっと増やしたいなぁと思い、とある作品を購入。

 

この作品をみて、店主は思いました。

「これ、自分でつくれへん?」

ということで善は急げ、レッツトライ! はいできました。

 

 

ヘタクソ~、でもこちらにはひばりの特徴であるトサカもついてます。

不格好ですが、自分の手を動かしてつくったものには愛着がわきますね。

わたしの目にはとてもかわいく映ります。

 

かわいい我が子を羽ばたたせたい!と思い、2階廊下の梁に釣り下げます。

 

親子でつくりました。こちらはまるで天窓から降り立ったかのよう。

 

 

 

水玉タイルの洗面台を泉に見立てて、鳥の水飲み場に。

 

 

着水。

 

 

 

セットして早速、1歳のお子様から好評をいただきました。

嬉しくて、ドヤ顔で自慢していたら破壊されそうになりました。ドヤ顔はいけませんね。

 

これからもどんどん、ひばりらしいアイテムを揃えていきたいと思います!

 

ぜひ、お楽しみください。

 

 

Music Festival Break

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

本日9/23(土)はそう、くるりさん主催の京都音楽博覧会in梅小路公園!

毎年大盛り上がりのこのフェスも、今年で11年目になるそうで

 

ひばりは梅小路公園まで徒歩5分という好立地から、音博フェスに参加されるお客さんからたくさんご予約いただきました!

ありがとうございます!ありがとうくるり様!

 

お客さんのお荷物預かりがおわり、お掃除がおわり、空を見上げれば澄み渡る青い空。

 

気づけばちょっと外出時に使うホワイトボードをきゅきゅっと書きなおし、駆け出しておりました。

ちょっと!ちょっとだけだから~

 

上海蟹、たべたい!と口ずさみながら、食べ物エリアをうろつきます。

 

 

 

 

どこもかしこも、めちゃくちゃおいしそう!朝ごはんを食べ損ねていたので、よだれが、、、

 

有名なB級グルメのチャンピオン、富士宮焼きそばと牛タン、ハーブソーセージをチョイス。

 

 

初めて食べる富士宮焼きそばはモチっとしてて、おいしかったです。

 

そしてそして、やっぱりフェスといえばそう、このお茶ー!

 

 

 

ぷはー!あぁーー!くぁーー!なんてうまい茶なんだ!

勤務中にお酒なんて論外やけど、お店の人は麦からつくられてるっていうてたし、これはきっと麦茶!

お家でもいきおいよく入れたら泡立つときあるし。

焼きそばにも牛タンにもハーブソーセージにもあうあう!くはー、たまらん!

 

チケットはもってませんが物販エリアにはいけたので、テンション上がってグッズも購入。

なんでこんなに気持ちがいいのでしょう。麦しか摂取してないのに~

 

 

 

おんぱくタオル!良質な今治タオルです。

女の子の頭の上には鳥さんが。ひばりちゃんということにしとこう。

今日はひばりのどこかにこのタオルを置いてます。

 

 

Tシャツも買うてしまいました。ここにも鳥(にわとり)が!

今日はこれをきて接客します。

 

心地いい風に吹かれながら、芝生の上でちょこっとだけ音楽をおすそわけいただき

張り詰めた日々が溶けていくような、大満足の一日でした。

 

そろそろ音博も終わり、琥珀色の空の下を歩いて、お客さんが帰ってきます。

わたしは一足先にひばりに戻り、お迎えの準備。

 

感想をお聞きするのが楽しみです。

まだ行かれたことない方、来年はぜひ!おすすめです。

 

緑のパワー

さてさて、改修も終盤。

内装は完成の姿が垣間見えるほどになってきた7月後半、遙々埼玉から庭のスペシャリストがやってきた!

たっくさんの木々と砂利とその他いろいろを載せたトラックに乗って。

庭師のたーくんとはご縁あってお庭をお任せすることになりました。

今まで「ここが庭でぇー…」とか考えてきたけど、実際にどんなふうになるのかは、想像力と庭の知識の乏しいわたしには想像がつかない。

それではまずはBeforeから。

こちらはスーペリアルーム専用の中庭。

埼玉よりやってきた木々はまだ鉢に入ったままで、庭は土をいれただけの状態。

真中にかまえる沓脱石(くつぬぎいし)は離れと母屋をつなぐ廊下の下に隠れていたものを解体中に発見。

男四人がかりで前庭へ移動し、再び沓脱石として活躍してもらっています。

こちらは前庭。

脚立と壁塗り用の土の樽などでかなりの現場感。殺風景であります。

真夏の京都の暑い中、限られた時間で造られていく庭。

木々たちも長いお引越しの後、新しい慣れない土地に植えられるのでまだまだよそよそしい。

これからここに根付いて季節を知らせてくれるのね。

前庭には秋をお知らせする紅葉がどーーーん!

紅葉は横に枝を伸ばしていくので、背の高い紅葉がほしい場合は初めから背の高い子を見つけて植えるしかないのだそう。

いつか前庭をこの子が覆うことになるのかしら。

前庭は和風にこだわらず、森っぽい、気取らない感じにお願いしていました。

木を選んでいただき、それらが植えられ、その足元には彩りを添える花と苔が植えられます。

焼き杉の茶色に緑が映える!

砂利を敷いて完成。

前庭は日の光もたっぷり入るので、今はこのときよりも苔が増えた気がします。

そして中庭。働く男たちの写真をお楽しみください。

お庭という要素が入ると、部屋の雰囲気が、もう全然違う。奥行きが増すといいますか。

ただ泊まるだけの部屋でなく、のんびりぼんやりと時間を楽しみ、季節と文化を愛でる空間へ。

緑のパワーはすさまじい。

 

これからこの子らの育ての親となる過程でも、ちょいちょい気軽に相談できる庭の魔術師たーくん。

ほんまにありがとうございました。そしてこれからもよろしくね。

ひばりの路地

こんにちは、店主の鎌塚です。

今日はわたしから、ひばりの一部をご紹介いたします。

ひばりの大きな特徴は、こちらの路地。

 

 

路地を抜けた先に玄関、というのは京都らしい景色ですが

ひばりの路地は、他とはちょっと違います。

 

路地というのは通常、道路に面していない土地に建つ建物へアクセスするためのものです。 

風情がいい、奥の景色を想像させるという意図ではなく、狭い区画を有効活用するための実用性からきているそうです。(もちろん違うケースもあるでしょう)

 

しかしひばりはご覧の通り、どーん!

 

 

角地です。道路に面する面する。路地いりません。

では、なんのためにこの路地をつくったのでしょうか?

さぁ、お考えください。

おわかりでしょうか。自信のある方はスーパーひとしくんを置いてください。

 

正解は、そう、スロープです!

 

 

ひばりは、旅することが難しいひとでも、自由な気持ちで旅してほしいという気持ちで設計されました。

なので、足腰の弱い方や車いすの方でも利用しやすいよう、スロープをつくりたかった。

でも、取ってつけたような仰々しいスロープはいやでした。

 

茶席に生けられる花を「茶花」といいます。

千利休は茶花の在り方を「花は野にある様」といったそうで

自然の風情のままに投げ入れることを、根本としています。

 

わたしは花を活けられるわけではありませんが、このような日本にむかしからある美的感覚は大切にしたい。

その感覚からいうと、実用性だけのスロープというのはナンセンスです。

安全であることと同じくらい、自然であることもまた、とても重要なことでした。

 

そこでわたしたちが考えたのが、この「路地スロープ」。

 

 

 

外観上スロープにはみえず、歩ける人もそうでない人も同じ道を自然に利用できること。

路面から入口まで一定の距離がとれるので、勾配をゆるく設定できること。 

京都に合う景色をつくれること。

なにより、区画整理などで路地を壊すことはあっても、新しくつくることって中々ないし、おもしろいよね。

という、一石二鳥ならぬ四鳥といえるほど、よいアイデアに思いました。

 

この四鳥のため、もともとあった四つの出入り口をすべて無視し

(京町家には珍しく、四つもあったんです。)

白い壁にどでかい穴をあけ、古建具を探し、新しいエントランスをつくりました。

 

 

こちらは改修時、建物内部から撮った写真。男性の右側、白い壁部分が、現在の玄関です。

 

 

ほぼ同じ位置から撮ったアフター写真。以前の面影はゼロですね。

 

 

 

路地にかかる手すりと、玄関の取っ手は木製。

大工さん&設計士さんに、「安全かつ自然!」とわがままをいいました。

 

 

 

路地には誘われるように走ってゆく、鳥の足あと。

足あとをたどれば、いつのまにか床の高さがフラットに。

 

 

 

この路地に入ったら、別世界にきたような、それなのに安心するような。

そんな場所になるよう、つくりました。 

 

いろんな思いからこの路地をつくりましたが、結局いちばんの理由は、路地くぐるときって、なんかわくわくする。ってことだったりします。

この先になにがあるのかなぁ、という旅のおもしろさを味わっていただければ、嬉しいです。

 

 

この路地をくぐり、ひとりでも多くの方が旅を楽しんでいただけることを、心より願っております。