COGYでHyggeに行こう

 

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

せっかくCOGY(コギー)をお借りしたので、私も使わせてもらおうと空き時間に近所のカフェへいきました。

 

ひばりの近くには「島原」という、かつて花街として栄えた京都らしい風景の残るエリアがあります。

島原は「小さな祇園」のような風情がありながらも、ほどよく静かで落ち着く、心地いい場所です。

 

<島原の入口、島原大門。立派です。扉も渋くて立派。>

 

島原エリアの道路は砂利を混ぜた風情ある舗装がされておりますが、普通の道より平担で段差も少なく、走りやすかったです。

 

ひばりを出て約10分、到着。京町家のカフェ・Hygge(ヒュッゲ)さんです。

 

Hygge(ヒュッゲ)さんは築150年の元お茶屋をリノベーションされたカフェです。

さっそく入ってみましょう。

 

と、いきなり段差につまずいてしまいました。

乗ってみてわかりましたが、COGY(コギー)は段差や坂道に弱いです。

ちょっとした段差で行けそう、と思っても簡単には乗り越えられません。

そういうときは、後ろからちょっと押してもらう必要があります。

 

3秒ほどもごもごしていると、店主さんがでてきてくれました。やさしい~

入口はちょっとギリギリでしたが、入れました。

 

 

中は広々。むかしのままのよさを上手に活かした、かっこいい内装です。

京都の町家は通路が狭いところが多いのですが、ここは通路もゆったり。

<カウンター>

<奥の座敷>

<テイクアウト可能なケーキも>

 

店名のHygge(ヒュッゲ)は聞きなれない名前ですが、それもそのはず、他の言語には直訳できないデンマーク固有の言葉だそうです。

意味は、「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」。

デンマークの人たちは、「一人ひとりがそれぞれ自分の考えをもち、自分のライフスタイルを大切にする。それでこそ、他人を思いやる”ヒュッゲ”な気持ちが生まれる。」と考えているとのことです。

 

福祉国家として名高い北欧はそのシステムだけでなく、この言葉のような考えが人々の間に浸透していることも、成功の秘密なのかもしれませんね。

 

そんな素敵な店名のHygge(ヒュッゲ)さんで、コーヒーブレイク。

 

 

椅子をはずしてもらうだけで、すっぽり入りました。

COGYはペダルがある分ちょっとだけ机と距離ができてしまいますが、それでも十分。

ふつうの車いすならもっと奥まで入ると思います。

 

「近所の車いすのおばあさんも、娘さんとよく来ますよ。」という店主さん。

大手のカフェは利用しやすいところも増えてきてはいるものの、個人経営のカフェでしかも京町家を活かしたところ、というのはなかなかありません。

ひばりの近くにこんな素敵なカフェがあって、うれしい限りです。

(※お手洗いは昔の町家のままとなっており、車いすで利用することができません。ご注意ください。)

 

今日はコーヒーだけでしたが、以前お休みの日にカレーとビールをいただきました。これがまたおいしい!

昼の贅沢です。

 

むかしはお茶屋だったこちらの町家は、お客さんがはちあわせしないよう、階段が3つもあったそうです。

そのひとつだった階段のあとはそのまま残っており、時の流れによって高められたいいデザインとなっています。

職人の匠な技術で根継ぎされた柱もかっこいい。

 

 

 

帰り際に気付いた、タイル貼りのかわいい階段。

店主さんに聞くところによると、花街の町家の名残だそうで、このあたりの町家にはタイルの階段がよくあるそうです。

しかし、どのような使い道でこうつくられたのかはご存じないそう。

気になる方は、ぜひ調べてみてください。

 

Hygge(ヒュッゲ)さんはランチだけでなく、モーニングもやられてます。

ひばりにお越しの際は、ぜひ行ってみてくださいね!

 

<Hygge(ヒュッゲ)>

モーニング:7:30~10:30

ランチ:11:30-18:00

夜(要予約):18:00-22:00

住所:京都市下京区西新屋敷中堂寺町74

HP:http://www.hyggehygge.com/Hygge/hygge.html

 

年末年始はCOGY に乗ろう

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

もうすぐクリスマスですね。

今日、ひばりに一足はやいクリスマスプレゼントがやってきました。

それがこちら!

「あきらめないひとの車いす」、COGY(コギー)です。

 

シンプルでかっこいいデザインに、イタリア車を彷彿させるような鮮やかな赤のカラーリング。

「あなたが乗る車いすが、あなたの足を動かすきっかけにならないか。」

 COGYはそんな思いから生まれた、ペダル付きの車いすです。

 

車いすは足が動かないひとのためのものなのに、ペダル??と思いますよね。

私もはじめて知ったときは、原理がよくわかりませんでした。

 

先日のブログで東京へ行ったというお話しをしましたが、その際に渋谷ヒカリエで行われていたイベントにCOGY(コギー)さんが出展されていました。

そのイベント時に試乗体験させていただき、そのときのご縁で期間限定ではありますが、ご厚意でひばりに置かせていただくことになりました。

<COGYはレッドとイエローの二色あります。体験試乗させていただいたのはイエロー。>

 

<体験の様子。ちょっと写真がブレるほど、スピードがでます。>

 

試乗体験時にご説明いただいた、COGY(コギー)が動く原理は超シンプル。

一言でいうと、「体の反射的な指令を利用してペダルを漕ぐ」というものです。

 

ホームページに詳しい説明があるので、引用します。

 

通常、人が歩行するときは、

脳からの信号が脊髄を介し足を動かしています。

しかし、足が不自由な方は、脳からの指令がうまく足に伝わりません。

COGYに乗った方の足が動くのは、脳からの指令ではなく、

右足を動かしたあとは左足という反射的な指令が、

脊髄の「原始的歩行中枢」からでていると考えられます。

つまり、片方の足がわずかでも動けば、反射的な指令によって、

もう片方の麻痺していた足が動くというわけです。

感覚神経の情報が、脳や脊髄の中枢神経回路網をうまく調整してくれる。

これを私たちはニューロモジュレーションと呼んでいます。

東北大学名誉教授
半田康延
つまり、
1:わずかな力をかけるだけでペダルが前にでる
2:この動きが「原始的歩行中枢」を刺激する
3:もう片方の足が反射的に動く
という原理で、歩けなくても足を動かして移動することができる、という車いす。それがCOGY(コギー)です。
ペダルはすごく軽く、水を入れた500mlペットボトルを置くだけでスーっと下がるほど。
上記の引用文でお気づきかもしれませんが、COGY(コギー)は東北大学医学系研究科と共同で研究・開発された車いすです。
開発に至ったエピソードをCOGY(コギー)をつくっている会社の方に聞いたのですが、それがとても興味深いものでした。
というのも、最初は電気でペダルを動かす「電動車いす」をつくり、研究事例を集めていたそうなのですが
ある日「乗ってみたい」という方が来られたとき、電気系統を調整中で動かせなかったそうです。
でもせっかく来ていただいたので、乗り心地だけでも体験してもらうとなり乗っていただいたところ、
なぜかペダルを足で漕ぐことができ、前に進んだそうです。
「え?なんで?!と私たちも驚いたのですが、理屈はよくわからないけど、足が動いて進んだという事実がある。そこから開発の方針を転換し、電気を必要としないシンプルな<ペダル付きの車いす>ができました。」
とのことでした。
<ハンドル部分。これひとつで右左に曲がることができます。>
基本的に、体は使わないと退化しますよね。
私も社会に出てから運動する機会が激減してしまい、明らかに運動能力が衰えています。

 

足を自由に動かせなくなった人の足を、動かすことができる。

これだけで、高いリハビリ効果を得られるように思います。

最初はリハビリ目的で開発されたCOGYですが、手を使うより楽に移動できるため、行動範囲を広げるために利用される方が増えているそうです。

 

<3つの車輪の間に、2つの補助足。この子たちのおかげで転倒の心配がありません>

 

 

そして個人的にとてもいいな、と思ったのが、「歩けない人にみえにくい」という点でした。

だって、足がくるくる動いてるんです。

一見、車いすっぽい乗り物に乗って遊んでるようにみえます。

人目なんか気にする必要はありませんが、旅行中は人も多いしどうしても気になるときはあると思います。

心の面でも助けになってくれそうな車いす、というのは、まだまだ寛容さの足りない日本社会にこそ必要とされているのではないでしょうか。

 

ひばりでのCOGY(コギー)の体験試乗期間は、12/16~年始1/3頃まで」

ご宿泊の方だけではなく、どなたでも体験可能です。泊まれないけど乗ってみたい、という方も大歓迎です。

ご希望の方はお電話かメールでご連絡ください。

短い期間ではございますが、多くの方にご利用いただければ幸いです。

それでは、お待ちしております!

 

<COGY公式ホームページはこちら>

http://cogycogy.com/

KNOW NO LIMIT 参加のご報告

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

先日、強行軍で東京へ行ってきました。

 

「旅することが難しいひとも、気軽に旅を楽しめるように」という思いではじめたひばりですが、女将の米山と違いリハビリ職に従事したことのない私はまだまだ知見も少なく、ひばりを通じて勉強している毎日です。

 

といってもまだ現場で学べる機会も少ないため、本を読んだり人と会って話しを聞く、ということを繰り返し繰り返し、少しずつ現状の問題点を知っていき、素人目線でアイデアを出せるよう努めています。

 

今回そんな私にとって特に学ぶべき点が多いのでは、と感じるイベントがいくつか東京で行われると知り、何年かぶりの首都へ行ってきました。

 

さて、まずはこちらの写真をご覧ください。

 

 

 

(写真:J-Workout株式会社様)

こちらの写真は、「脊髄損傷者の再歩行を目指す」という目的で設立された、日本初の脊髄損傷者専門のトレーニングジム「J-Workout (ジェイ・ワークアウト)」企画・運営の、「KNOW NO LIMIT」 というイベントの様子です。

 

「KNOW NO LIMIT 」= 「回復に限界はない」という考えのもと、脊髄を損傷し車いすで生活されている方々が、再歩行を目指して日々トレーニングをし、その成果を発表しているシーンです。

 

この方々はみな、「もう歩くことはできない」と医師から診断された方々です。

 

私は先日はじめて知ったのですが、

日本の病院では歩くことはできないと医師が判断した場合、「車いすでの生活を目的としたリハビリ」に切り替わり、「再歩行のためのリハビリ」には取り組めないそうです。

 

アメリカやオーストラリアでは「再歩行のリハビリ」という選択肢もあるそうですが、いまの日本の病院では難しいとのこと。

 

J-Workout (ジェイ・ワークアウト)さんは、それでも「歩きたい」と望む人の期待に応えられるよう、病院ではできない再歩行のためのトレーニングを専門に取り組んでいる民間会社です。

 

会場にはご家族や友人・同僚の方々だけでなく、大勢の方々が来られていました。

一参加者であり直接関係をもたない私の目からみても、登壇者の方々の力強く歩く姿は、胸にせまるものがありました。

 

彼ら彼女らの踏み出す一歩一歩には、私たちが普段無意識に行っている歩くという行為にはない美しさが内含されているように感じられ、人生という道のりにおいて、この人たちは私より難しい道の、はるか先を歩んでいるように映りました。

悪戯に美化するつもりはありませんが、それが私の率直な感想です。

 

日本のリハビリ業界にはない新しい選択肢をつくったという点で、J-Workoutさんの活動を尊敬します。

 

歩けないと言われたって、歩きたい。立った目線で世界をみたい。

そんな思いは生まれて当然です。そのための選択肢がないというのは、社会のシステムとしてどうなのかと思います。

 

それにたとえ歩けないと診断されたとしても、人体の全てが医学で解明されているわけではないし、再生医療という現実的な希望が視野に入りつつある現代において、筋肉や骨密度を維持するためにも、再歩行のためのリハビリという選択肢は一層重要性が増しているように思えます。

 

そして自分自身と向き合い、前に進んでいる方々の姿をみて、ひばりという場所が彼・彼女らのような人たちの役に立ち、共に歩んでいける旅路の宿でありたい、とあらためて思いました。

 

今回このような機会、ご協力をいただきましたJ-Workoutさま、そして登壇者のみなさまにあらためて御礼申し上げます。

ありがとうございました!

 

(補足)

今回述べていることは私個人の意見・感想であり、リハビリ業界における問題点などを細かに調べぬいて書いたわけではありません。もし事実と異なる点や表現がありましたらご指摘ください。

慎んで訂正致します。

うれしいニュース

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

うれしいニュースです。

 

車いすユーザーの方へ京都旅行情報を発信されているWebサイト、「ばりかん!京都」にひばりを掲載いただきました。

 

 

ばりかん!京都とは、

“観光地のバリアだけでなく、宿泊施設のバリア、交通のバリアといった観光に必要な情報を、車椅子を使用する当事者が集め、データを掲載する総合的な観光サイト”です。

(※「ばりかん!京都Webサイトより抜粋」)

 

こちらは「社団法人全国脊髄損傷者連合会 京都府支部」の監修で運営されており、格所丁寧に調査された上で発信されている、信頼性の高いWebサイトです。

 

今回掲載いただいたひばりの情報も、京都府支部 副支部長の方がわざわざ見学にお越しいただき、細かな情報を直接ご確認されました。

 

 

 

 

 

 

1階の設備に関しては高い評価をいただき、紹介されている宿泊施設のほとんどがしっかりとした設備を整えた大規模な旅館・ホテルという中、一軒家規模の町家の小さな宿が掲載されたことを嬉しく思います。

 

わたしたちの設備は、すべての人に対して十分といえるものではありません。

でも、それでいいと思っています。

 

わたしたちは、「選択肢のひとつ」です。

 

様々な宿泊施設があるなかで、ホテルにはホテルのサービス、ゲストハウスにはゲストハウスのサービスがあり、それぞれ価格帯も異なります。

 

人それぞれ好みやサービス、予算に応じて、ホテルがいいか、旅館がいいか、ゲストハウスにしようか、と様々な選択肢のなかで宿を選んでいます。

 

それと同じように、「ホテルにはホテルのバリアフリー、ゲストハウスにはゲストハウスのバリアフリーがあっていいんじゃないか」、というのが私たちの考えです。

 

寝たきりの人もいれば、杖や車いすさえあればどこへだっていける人だっている。

 

「体が不自由」とひとえに言っても、活動可能な範囲は人それぞれです。 

 

完璧な設備環境のみを求めると、結果「高額なホテル」という一択になります。

高額ゆえ旅行頻度は減り、需要は低くなり、必要なものが必要でないと判断され、普及を阻害する矛盾構造が生まれてしまいます。

 

わたしたちは選択肢のひとつであり、このような阻害要因をなくすための新しい取り組みの一例です。

 

これは足した方がいい、逆にこれはなくても構わない。

こうすればお金もかからないし、車いすに限らずどんなひとにとっても快適だよね。

 

ひばりの存在がそんな議論のきっかけになり、だれもが旅をしやすくなる環境整備への糸口となることを望んでいます。 

 

また、できることが限られているわたしたちではありますが、旅をしたいと思う人を全力でサポートしたいという思いでいます。

 

京都旅をご希望の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 

もちろん、見学も大歓迎です。

 

ケガをしても、病気になっても、100歳になっても、

旅を楽しめる社会を、みんなでつくっていきましょう。

 

ばりかん!京都Webサイト(ひばりページ)はこちら

http://www.barikan-kyoto.net/shosaih.php?id=160

 

ご挨拶

*English follows Japanese

初めましてのみなさま、いつもお世話になっているみなさま、

そしてお久しぶりのみなさま、こんにちは。

この度、鎌塚 慶一郎 + 米山 翼のふたりで、新しく宿を始めることになりました。

屋号は「平旅籠(ひらはたご)ひばり」といいます。

平旅籠とは素泊まりの宿のことを指します。

平旅籠ひばりは、

「だれでも、どこでも、いつまでも旅をし、豊かな人生を。」

というふたりの思いのもと、

「Natural & Flexible (自然で柔軟な)」

をコンセプトに改修設計した、京町家の宿です。

怪我をしても、歳をとっても、いつまでも旅ができる環境をつくるべく、

これまでたっくさんのひとに支えられながら、オープンを目指して走っております。

そんな誰でも旅ができる環境があることで、

今は旅が困難になってしまった誰かの気持ちをくすぐることができたなら、本当に嬉しいです。

何より、旅好きのわたしたちにとって、

そんな宿が近い将来あちこちにできたらなぁという願いがあったのです。

産まれたばかりのひばりを、これからどうぞよろしくお願い致します。

 

【Greeting】

We, Keiichiro and Tsubasa, would like to proudly announce that were going to open new hostel HIBARI HOSTEL ″ in Kyoto this summer.

We think every single person can travel anywhere for all time and have a fulfilling life.

That’s why HIBARI was designed accessible to be able to welcome wheelchair user or elderly guests as well as other guests.

We have been renovating the house to create the place that everyone can travel and stay even if you got injured or got older.

We are really glad to give someone who has some problems to travel a little change.

We, travel addicted, hope there are more guesthouses which can accommodate wheelchair user in near future.

Thank you very much for your warm attention and please keep giving an eye to us.

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