宿直スタッフ募集のお知らせ◆2019年8月スタート

 

 

【この夏、京都で暮らしてみませんか?】

ひばりでは現在、宿直スタッフ(フリーアコモデーション)を募集しております!

 

◆募集要項

<期間>

2019年8月から半年以上。(半年以下も相談可)※1年以上可能な方は優先的に採用させていただきます。

<業務内容>

・夜間の緊急時の対応(夜9時~朝8時)、連絡。

・週2~3日程度の掃除及び店番(チェックイン業務)。

 

<設備・条件>

・宿直業務(フリーアコモデーション)はアルバイトではありません。家賃・光熱費がお手伝いのお給料の代わりとなります。

・小さいですが、個室です。夜はお休みになって大丈夫です。緊急時の対応をお願いします。

・個室には布団一式、エアコン、窓、棚がついています。

・共有エリアのシャワー、キッチン(自炊可)、冷蔵庫、洗濯機、Wifiは無料で利用可。

・日中は基本自由時間です!観光はもちろん通勤・通学も可。

・週2~3日程度、日中業務のお手伝い(接客・掃除)をお願いします。

・外国のお客様が多いので、英語の勉強になります。英語力に自信がなくても、英語を話す意欲があればOK!

・外泊も相談可(月2、3日程度)。

 

◆ひばりのとなりには本屋「旅耕社」、スペシャリティコーヒーを取り扱う「キフ珈琲」があります。

本や珈琲好きな方は、より楽しんで暮らしていただけると思います!

 

ご応募は下記の「問い合わせフォーム」よりご連絡ください。

https://hibarihostel.com/contact/

募集は決まり次第終了させていただきます。

その他ご質問などありましたら、お問い合わせ時にお気軽にご連絡ください。

それでは、ご応募お待ちしております!

 

 

平旅籠ひばり Hibarihostel

店主 鎌塚 慶一郎

 

 

 

 

本と珈琲と日々のこと

 

こんにちは、ひばりの鎌塚です。

 

すっかり春の陽気が続く中、お庭の木々に葉が茂ってきました。

いい天気に触発されてなんとなくなにかを書きたい気分になったので、この頃のことをつらつらと書きたいと思います。

 

フェイスブックやインスタグラムで散々発信していましたが、2月よりひばりのとなりに本屋ができました。

「旅耕社(リョコウシャ)」といいます。

 

 

 

 

 

新しい視点を与えてくれるという意味で、本は旅ととても親和性の高い製品です。

つかい方に迷う余地がないという点で、「本」はプロダクトとしてある種の理想的なかたちであるともいえます。

それでいて、中身はまったく自由な世界が広がっている。

普遍的で美しく、自由であり新しい世界へつながる扉になる。

そういう意味で、ひばりも「本」のようでありたいなと思います。

この場所がきっかけで旅にいきたくなったり、また旅をしたような気分になっていただけたら幸いです。

 

 

またつい4日ほど前からですが、「キフ珈琲」という珈琲屋のふりをした寄付活動をはじめました。

こちらに関しては説明が長くなってしまいそうなので、またあらためてご案内します。

インスタグラム@kifucoffee.kyotoにて日々更新していますので、よければご覧ください。

 

 

先日から、ドイツよりお越しのご家族が貸切でご宿泊いただいています。

普段は掃除のたびに毎日きれいに片づけている公共エリアも、貸切のためどうぞご自由にということでプライベートなものがそこかしこに放置されています。

 

 

 

 

日々いろんなものが増えてゆく・・・

 

 

 

いつもはお泊りいただく方みなさんが気持ちよく過ごしていただくために、トイレや洗面台にものを置きっぱなしにすることはご遠慮いただいていますが

 

貸切のときはこのように、わかりやすい生活のあとが残ります。

 

僕はきれいな場所が好きですが、からっぽな場所は好きではありません。

きれいに掃除したあとでなかなかお客さんがチェックインに来られないときは、はやくだれか来てキッチンとかトイレとか使ってくれないかなと思います。

雑誌の中の完璧な部屋の写真に違和感を感じるように、生活感を感じられない空間にいると居心地がわるくなってくるんでしょう。

 

そのためいまのように貸切でご利用いただいているときは常に居心地がよく、ありがたいです。

 

宿という場所は自分の場所でありながら、自分ではない他のだれかの場所。

たとえ一時的にであっても、行ったこともない国の人と場所と時間をともにするというのは、よくよく考えたらとても不思議なものだなぁ。と、みたこともないシャンプーや歯磨き粉を横目にみながら思いました。

 

おもしろい時代になったものですね。

 

平成も残すところあと数日。

 

令和はいったいどんな時代がくるのでしょうか。

 

どんな時代になっても、いまのように日々を楽しんでいたいなと思います。

 

それでは、また。

 

ひばり 店主

 

写真と時間

こんにちは、ひばりの鎌塚です。

 

あたたかくなってきたかと思えば、また少し寒い日が戻ってきたり。

着る服を間違えそうな日が続いていますが

寄せては返す波のように、冬と春が移ろいゆくこの時期が好きです。

 

そして今年はひそかに、春以上に心待ちにしていたものがありました。

それが、こちらの写真です。

 

<シングルルーム>

 

 

<クアドラプルルーム>

 

 

これらは、写真家の堀井ヒロツグさんに撮影していただいた写真です。

モデルさんのヘアメイクはYAK KYOTOさん。

 

<スーペリアルーム>

 

 

 

私は個人的に写真をみているとき、主に2種類の写真があると思って見ています。

 

ひとつは、人やモノや風景を「写している」写真。

証明写真とか、商業写真と言われるもの。

その人がそこにいることの証明になったり、宿だったら設備をもっていることの証明となる、説明的な写真。

 

もうひとつは、光で時間を「写している」写真。

日々太陽は動き、風がふき、雨がふり、花が枯れ、咲く。

停まっているものはなく、すべてのものがゆっくり、ときに激しく揺れ動いている世界で、一瞬の時間を視ることができる、感覚的な写真。

 

<小さな離れ>

 

 

 

私たちが営んでいる「宿」という場所を、「設備を提供している」場所として捉えるならば、「説明的な写真」が適していると思います。

過不足なく伝えることが大事で、きれいに写った明瞭な写真がいいでしょう。

 

私はひばりという場所で、「時間を提供している」と思いながら日々お客さんと接しています。

家を出て、移動し、知らないものをみたり、触れたり、食べたりして、家にいては体験できない新しいものに刺激を受け、宿に泊まり、帰る。そしてまた新しい旅先へ。

宿はその一連の時間の流れの中のひとつであり、そしてまた新しい時間を過ごすための場所。

 

この場所をひとつの「時間」として捉えるなら、時間を写している写真がいい。

そう考え、この度縁あって、写真家の堀井さんに撮っていただくことが叶いました。

 

 

<本屋・旅耕社>

 

 

これらの写真は、だれもが納得する宿屋の写真ではないかもしれません。

 

これらの写真は、だれもがみることができるわけではない時間を写しています。

旅も同じです。

あなたがしてきた旅も、これからするかもしれない旅も、だれもが経験できるわけではありません。

今日は今日しかありません。

 

これらの写真から、私たちが「時間」を大切にしていること。

ここに関わってくださる方の時間が、いい時間であってほしいと願っていること。

 

そんな気持ちが伝わってもらえたら、と思いながら、これらの写真をみています。

 

もうすこしで桜が咲きます。

 

ぜひ一緒に、春の時間を楽しみましょう。

 

ひばりホステル

鎌塚 慶一郎

 

天龍寺の節分祭

 

こんにちは、店主の鎌塚です。

 

本日は節分!ということで嵐山にある「天龍寺」の節分祭に行ってきました。

嵐山へはひばりの最寄駅「JR丹波口駅」から約12分とすぐなので、とても便利です。

 

天龍寺は「JR嵯峨嵐山駅」から「BAMBOO」の方へ歩いて約10分。

 

 

 

 

 

天龍寺の節分祭では、福笹に七福神のお札をつけてもらってまわるのが習わしになっています。

私もはじめて笹をもらい、七つの御札をいただきにまわりました。スタンプラリーみたいで楽しいです。

4歳くらいのお子さんは2つめの毘沙門天あたりでもう飽きたのか「帰るー!」と泣きじゃくっていました。大人になってからもう一度楽しんでくれ、4歳児よ。

 

 

「童心に帰り笹をもってはしゃぐ店主の図」。天龍寺といえば「雲龍図」。こちらもお見逃しなく。

 

 

メインの豆まきはこちら!この日のためだけに、毎年特別に舞台をつくっておられます。

舞台の上には天龍寺の和尚様をはじめ嵐山の重役の方々、そしてゆる?こわ?キャラの月橋 渡(つきはし わたる)くん。写真ではみえませんが背中に橋を背負ってます。

この月橋渡氏と舞台上のスピーカーから流れるKinKi Kidsとビートルズがなんだか場違いに浮いていて、異様な存在感を放っていました。

 

そしてこちらの舞台の設営はなんと、ひばりをつくってくださった親方が設営されているというご縁が!

会場でご挨拶もできました。豆まきで毎年倒れる人いるんよ、と聞かされドキドキ。

 

 

鬼はそとー!福はうちー!投げられる福豆、むらがる群衆、おさないで、子供がいます!うわーん!うわーん!泣き叫ぶ児童。鬼とはいったい誰なのか。禅問答のような問いかけは帰りの電車の中で考えよう、とにかくいまは福豆ゲットや!右手で写真を撮り、左手で福豆をキャッチという荒業に挑みました。

 

 

左手一本で2つの福豆を取りました。自分の才能が恐ろしい。

無事福豆を手に入れたあとは屋台でお食事タイム!

たくさんのトッピングがついてなんと300円!の福そばをすすり

 

 

ふるまい甘酒であったまり

 

 

丹山酒造のふるまい酒でキュッと一杯。

 

 

身も心も満たされる、楽しい節分祭でした。

 

毎年大盛り上がりの天龍寺の節分祭、2月の京都にお越しの際はぜひお見逃しなく!

 

 

新年のご挨拶と御礼

明けましておめでとうございます!

 

2019年のはじまり、そしてついに、平成が終わってしまいますね。

店主の初笑いは大晦日にTwitterに投稿された、

『妻がいま「平成最後のお風呂行ってくる」って言いながら脱衣所に向かったけど、明日から風呂入らないつもりか?』というつぶやきでした。

平成はあと3か月ありますもんね。

 

しかし平成を生きた記憶しかない私にとって、「平成最後」という言葉を聞くたび、なんだかショックを受けてしまいます。

たかが年号なのに、どうしてこう感慨深くなるのでしょう。

たぶん3か月お風呂に入ってない奥さんに出会うより、平成が終わることのほうが衝撃が大きい気がします。

だって平成は30年の積み重ねですから。30年お風呂に入ってない奥さんくらいじゃないと、釣り合いがとれないでしょう。なんのこっちゃ。

 

さて、平成の酉(とり)年に生まれたひばりは、戌(いぬ)の上をまっしぐらに飛んでいき、亥(いのしし)に出会うところまでやってきました。

これまでやってこれたのも、たくさんの方々の温かいご支援があってのことです。

本当にありがとうございました。

初笑いのくだりより先に御礼を言うべきでしたね。

しばらくぶりのブログになってしまい、書き方を忘れてしまいました。大変申し訳ございません。

 

この5ヶ月間に書いたことといえば「お知らせ」ばかりで、ブログらしいものはほとんど書けていませんでした。

 

この場で言い訳をさせてもらうのもなんなのですが、忙しくて書けないということではなく、

書くことについてしばらく考えてみたいと思うことがあり、意識的に書くのをやめました。

 

きっかけは、スタンフォード大学の留学生にご滞在いただいたこと。

 

ひばりはこれまで、「だれでも、どこでも、いつまでも旅をし、豊かな人生を」をモットーに、お体に不自由のあるお客さんとの出会いや旅のことを何度かブログに書いてきました。

 

書くことで、旅をすることが難しいなと思っている方が、行けるかも!と思っていただけたらという思いで発信をしていましたが、書くたびに一抹の不安を抱えていました。

 

それは、「これって、障害者ビジネス?」という意識です。

 

ひばりは「だれでも旅を楽しめるように」という考えなので、お体が不自由な方専用というわけではありません。

しかし、ユニバーサルデザイン(以下UD)設計の町家宿というのが、ひばりの大きな特徴のひとつです。

 

UDとは「だれにとっても普変的に使いやすいものであること」と定義されていますが、

それを必要とする人、伝えたい人は「だれでもみんな」ではなく、限定されます。

その一部にスポットを当て過ぎると、「障害者ビジネスみたいだ」という意見がでてきてもおかしくはありません。

そしてそれは、誰かを傷つけることにもつながりかねません。でも発信しなければ伝わらない。知ってもらえなければ、役立つこともできない。しかし・・・

という矛盾ループに対する答えをもたないまま、日々宿でお客さんをお迎えし、ブログで発信していました。

 

そして2か月半の間、スタンフォード大学から留学生の方が滞在していただくことになり、最初は彼の生活や京都のお寺を訪れているところなどを発信しようかと考えていました。が、いざやろうと思って、手がとまりました。

 

これは本当にやっていいんだろうか?僕のやりたいことなのか?彼のやってほしいことなのか?

誰かのためになるかもしれない。それは間違いないと思うけど、本当に伝えたいことなのか?発信していいのか?

 

炎上するのが怖いというより、知らないうちに誰かを傷つけるかもしれないということを意識し、急に怖くなったのだと思います。また、そんなつもりはないけれど、カタチとして僕は彼を宣伝に利用することになる。必要とする人のための発信は宣伝じゃない、と思ってはいるものの、書きたいと思えない。まだうまく言語化できませんが、これは書かないほうがいいかもしれないという考えが芽生えて消えず、ひとまず書くのをやめました。

 

ただ確かなことは、ひばりは別にボランティアでやっているわけではないこと。

ビジネスかと言われればビジネスです。僕は「お商売」という日本語の方が好きですが。

障害者ビジネスかと言われれば、断じて違います。お身体に不自由があっても、変わりなく旅を楽しめる環境(システム)をつくりたいとは思っていますが、それを利益優先のビジネスにしたいとは考えていません。

誰だって大なり小なり自由もあれば不自由もあるし、その大小の差はなにかの拍子で急に変わります。

だから必要だし、やってみたい、つくってみたい。お商売にするのは、持続性を高めるため。そう思っています。

 

これが答えならもっと自信をもって発信できるように思いますが、まだまだ先があるように思えてなりません。

まだ一年と少し経ったばかりのひばりで、答えがでてくるようなものではないのかもしれません。

 

留学生の彼は9月の終わりにきて、12月の中頃に帰ってしまいました。

彼がここで過ごした経験や、残してくれたものを活かしきれていないように感じていますが、彼と一緒に過ごした日々はとても楽しかった。彼が京都で過ごすことができ、他の町へ旅することもでき、そして無事帰国できた。それだけで、ひばりをやってよかったなぁと思っています。

このような機会をいただき、彼、そしてスタンフォード大学日本センターの皆様にあらためて感謝申し上げます。

 

ということで、悩んだり迷ったりの2018年でしたが、

2019年も引き続き答えを探しながら、そして日々を楽しみながら、高見を目指して飛ぶ雲雀の心を忘れずがんばりたいと思います。

それでは、本年もどうぞよろしくお願い致します!

 

店主 鎌塚 慶一郎